オルレアンから来た少女 あとがき

長かった…。量的には中編程度ですけど、週一連載で結局半年近くかかったもんなあ。 毎回ストーリー破綻してないかびくびくしておりました。拙すぎて意味が伝わりきらないところもあるでしょうし、竜頭蛇尾の感もあるし。それでも、とりあえず予定通りの犯人と終わり方ができて作者的にはひと安心です。 最後までおつきあい本当にありがとうございました! 2010・10・09風間銀灰 拝

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オルレアンから来た少女(最終回) 作・風間銀灰

さて、あとはその後のことを少々書いて結末としよう。 田中さんは、美音さんの証言もあって逮捕はされた。ただし、物証もほとんどないから、裁判で無罪になることはありうる。だが、彼は終わりにするはずだった人生を、罪を負って生きていかねばならないのだ。不自由な体と共に…。 美音さんは未成年とはいえ、少年法は改正されたから、自首したといえどもかなりの罰は受けてしまうだろう。二件の殺人未遂、連続殺…

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オルレアンから来た少女 五章-3 作・風間銀灰

3 「動機は…推測しかできませんが、おそらく香音さん、そうなのではないですか」 私が言うと、田中さんは一瞬私をにらみつけたが、すぐに目を伏せた。 「美音さんの、『お姉ちゃんは生きてたら絶対どこか行っちゃう』という言葉がヒントになりました。…あなたも、香音さんを離したくなかった。 あなたは、ただ香音さんを殺すのではなく、あなたを香音さんが殺し、それをごまかすために連続殺人…

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オルレアンから来た少女 五章-2

2 彼は─第一の被害者だったはずの─田中さんは、いきなり笑いだした。 「いったい何をおっしゃっているのです?」 また先ほどのような言葉を繰り返してきたが、彼の顔色は相変わらず白かった。 「僕は被害者ですよ。突き落とされたんですよ。あなただって、その現場を見たんでしょう」 「確かに見ました」 「ではあなたの言ってる事は意味を成さないじゃないですか。…まさか、僕がわざわざ自分を…

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オルレアンから来た少女五章-1 作・風間銀灰

五章 終章 1 とある病院。私は、受付で面会申し込みをした。 エレベーターに乗り、長い廊下を進み、目的の病室に着いた。そこは一人部屋で、窓からは青い空ばかりが見えていた。部屋の主は、窓側を向いてベッドに腰かけていて、その空をじっと見ていた。 扉は開いていたが、私は一応ノックをした。部屋の主は振り返って、怪訝そうな顔をしたが、何も言わなかった。 「失礼します」 私は頭を…

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オルレアンから来た少女四章-5 作・風間銀灰

5 香音さんは病院に運び込まれ、すぐに治療を受けた。意識は失っていたが、それは睡眠薬のせいで、命に別状はないとのことだった。 我々─私と妻と楠と、そして美音さん─は、廊下で処置が終わるのを待った。 「美音さん、君は…本当は香音さんを死なせる気はなかったんじゃないのか?本当は心のどこかで間に合うように見つけてほしかったから…我々を呼んだのではないのか?」 美音さんはうつむ…

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オルレアンから来た少女 四章-4 作・風間銀灰

4 私は思わずまた美音さんの瞳を見つめた。しかしその瞳に、狂気の影はない。 「聖女…?」 私の呟きに、彼女はこくりとうなずく。 「清らかに生きてきた人は、死んだら聖女になるの。そして、ずっと見守ってくれるの」 「馬鹿を言っちゃいけない」私は囁くような声で言った。「生きていた方が、たくさん話せる。たくさん助け合えるだろう」 すると、美音さんは突然激しく首を振った。 「違う!…

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オルレアンから来た少女 四章-3 作・風間銀灰

3 しばらく時が止まったかのような沈黙が流れた。 「ど…どうしてあたしが…」 ようやく美音さんがかすれ声で呟くと、私もやっと口を開いた。 「以前会った時、君は『お姉ちゃんはピンクは決して身に着けない』と言った。実際香音さんはモノトーンの服を着ていたし、その際君の言ったことを否定しなかった。 あの時に二人ともわざわざ嘘をつく理由がない。ということは、今の方が嘘ということに…

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オルレアンから来た少女 四章-2 作・風間銀灰

2 そんなまさか。そんなはずは…。美音さんは、手の甲で涙をごしごしこすりながら、我々に部屋に上がるよう促した。 少し落ち着いた美音さんは、卓上にあったノートパソコンを開き、言った。 「お姉ちゃんのパソコンです…。これ、見てください…」 そのノートパソコンは、若い女の子の好きそうな、ラメ入りとか言うらしいピンク色の可愛らしいものだった。しかし、中に記されていた内容は、その…

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オルレアンから来た少女 四章-1 作・風間銀灰

四章 身代わりの羊ではなく 1    ● 彼の女(ひと)は、清らかに死せることによってより聖なる存在となる。手をかけることをためらうなかれ。 ● 私と妻は、とりあえず急いで家を出、間もなく楠と合流した。 「どうしたんだ。いったい何があったんだ」 楠の顔を見るなり尋ねると、彼女は泣きそうな顔で答えた。 「わかんないんですぅ。香音ちゃんから着信あったと思って出…

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