第三話 続き りんごの森の入り口 

りんごの森の入り口に近づくにつれて、あるものがあることに気づきました。 最初に発見したのは、3匹の中で一番視力のいい、陸がめのマックスさんでした。 "あそこに、赤いものが見えますよ。りんごのような形ですね。" マックスさんはじっと赤い物体を凝視しています。 うさぎのサファイアさんとこぐまのマロンくんは、りんごの森に何度も行ったことがあるので、その赤いものは何なのか知っていました。…

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第三話 りんごの森の中へ

大きなりんごの目印を通り過ぎて、森の中へ入った3匹。 入り口から広がる緑の深い森は、大木に覆われ、歩きだしても先はみえないくらい、わさわさと葉っぱに囲まれています。 木々に赤い実がついていないのに、すでに森の中では、甘酸っぱい香りがふんわりとしていました。マロンくんは、ちょっぴりよだれが口の中にあふれそうになりました。 サファイアさんとマロンくんはいつも来ているとはいえ、いつもこの森は…

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第三話 りんごの森 警戒

りんごを探すために、三匹は歩く速度を落とし始めました。 サファイアさんは耳をぴくぴくしながら、ゆっくりと歩いています。 マロンくんは小さな黒いお鼻をひくひくさせました。 甘い香りが歩くたびに濃くなっていきます。 マックスさんは、ずっと前をみつめて何か考えているようでした。 三匹が森の中を歩いている中、どこからともなく、黒い影がりんごの森に迫ってきていました。それはけして歓迎されない…

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第三話 りんごの森 いつになったら食べれるの?

"たまには風があってもおかしくないわ。さ、いきましょう" サファイアさんは、気にも留めずに、先を急ぎました。 マロンくんは、ちょっとだけ不安がありましたが、サファイアさんのいうように、そういうこともあるかな、と気を取り直しました。 りんごの森に入っても、お目当てのりんごは見つかりませんでした。 真っ赤なりんごは奥に進めば進むほど、香りとともに数は増えています。 ほとんどのりんごは3…

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第三話 ついにりんごを。

しばらく歩いていくと、やがて森の奥のほうへ行き着いたようでした。 多くの森の木々にはりんごが、下のほうへついていました。 やっと食べれそうなりんごを見つけた3匹はうれしそうに、りんごの木に向かい、ひとつ、ふたつともぎとっていきます。 "ひとつでけっこうおなかいっぱいになるの。だから、食べ終わったら、食べれそうならとったほうがいいわ" サファイアさんは、そうマックスさんにアドバイスしました…

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第四話 1.黒い雲

りんごの森の中の時間は、森の生き物たちの気分で変わります。 明るかった森の外でも、一歩入った森の中は明るいときもあれば、暗いときもあります。 今まで明るく、鳥の歌声も響いていた森の中は、ゆっくりと、暗闇のほうへと時が進み始めました。 それは、幸せそうにりんごを食べている3匹への警告でもありました。 しかし、夢中になっている3匹はまったく、景色が変わりつつある変化に気づくはずもありません。…

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第四話 2.離れ離れ

サファイアさんは風をきる勢いで森を走りはじめました。 うさぎの一族の中でも1,2番を争うくらいの足の速さを持つ、サファイアさんは、とにかく、急いで走りました。 走って走って、走り抜けて...。 遠くで白い光が見えてきました。 あともう少し! サファイアさんは自分の心に勇気付けて光を目指しました。 光はどんどんと近づいてきます。 あと、もうちょっとだわ! まぶしいくらいの光が瞳を覆…

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第四話 3.迷子

サファイアさんとマロンくんが離れる前のこと。 勢いよく飛び出したサファイアさん。 その後を、マロンくんは懸命に追いかけました。 しかしなかなか追いつきません。 どんどん、サファイアさんはマロンくんたちから距離を広げていきました。 小さな白い姿になるサファイアさんが遠くに見えるのが、マロンくんの唯一の目印でした。このとき、サファイアさんがとても足が速いうさぎさんだということを、改めて…

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第四話 4.足跡

"サファイアさんがどこにいるかを探しにいかないと、いけませんね。" マックスさんは、励ますかのようにマロンくんに問いかけました。 "僕はこんなに奥まできたことないんだ。だけど、サファイアさんのことだから、きっとこの先に出口があると思って、走っていったんだとおもうんだ。" マロンくんはぼんやりとサファイアさんが走っていったであろう、森の奥をみていました。 "でも、ちょっと僕、自信ないや。"…

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第四話 5.眠り薬 <追記あり>

マロンくんとマックスさんは足跡を必死にたどりながら、森の奥へ奥へと進んでいきました。辺りはどんどん暗闇に包まれていきます。 森の木々たちも、ざわざわとさわめきがとまらないようです。 ひゅっと冷たい風がどこからともなく吹き始めました。 風にのってどこからか、ほんのり甘いにおいがします。 マックスさん冷たい風が目に入らないように、うっすらとまぶたを閉じました。 "い、いつの間にか空気も…

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