リレー小説vol.1(第三回)担当・kazura

鳥の羽を光にかざして眺めた。
窓ガラス越しに見える鳥の羽は、幻想的な気分になる。
あたしは羽の間から見える、のぞき窓のような感覚が好きだった。
窓の外では背の高い木々が風になびかれて、そよそよと木の葉を揺らしている。その揺れにあわせて、まばゆい太陽の光が窓に差し込み、鳥の羽を照らした。そのとき、うっすらと何かが羽に描かれていることに、あたしは気付いた。光からはずすと、その文字は見えない。
もう一度羽を太陽に向けて、窓にかざす。
すると、羽の部分に小さく光る透明な文字が見えてきた。
あたしはすかさず、机から虫眼鏡を取り出した。
そして、目を凝らして羽の文字を見つめた。

"333 電話に必ずでて"

思わず、テレビの上をみた。
デジタル時計は3時すぎをさしていた。
ほっと溜息ついた。
それから、とたんにあたしはくすりと笑った。
なんで時計だろうって思ったんだろう。
時計じゃないかもしれないのに。

あたしはごろりと床に寝転んだ。
謎解きと暗号。
秘密ときのわくわく感。
なんともナツミらしい。
ほんと、変わらないな。

そのとき。
携帯電話が鳴り出した。
「トモ? あたし、優衣。久しぶり。」
電話は旧友の優衣(ゆい)だった。
「どうしたの、こんな時間に。」
めずらしい旧友の電話に、あたしはちょっと驚いた。
「理由はあとで話すよ。それより、今日テレビみた?」
「さっき起きたばかり。だからまだ見てないんだけど、何かあった?」
あたしはとっさにテレビの電源をいれた。と同時に、優衣がごくりとつばを飲み込む音が聞こえたような気がした。
「テレビをつけてもらう前に、でも落ち着いてきいて...ナツミがね、さっき事故にあって....。」
頭の中が真っ白になった。
テレビには、事故の様子が大々的に報道され、そして事故の犠牲者欄に、見知った顔の、ナツミの写真が、写りだされていた。
ちょうどこのとき、あたしのテレビの上の時計は3時33分を指した。 続く(最終回です)


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