小説:くまの森のひみつ 8

それはくまの森には、高価な宝石や宝がどこかに埋まっているといううわさでした。
そのうわさについて、グランくんはおじいさんに聞いてみると、確かにおじいさんが若い頃に、同じようなうわさ話をきいたことがあるとのこと。けれど、今まで誰もそのお宝を探しにいったということは聞いていませんでした。

"そこで、俺が、その第一人者になってみようかな、と思ったわけなんだ。"

とグランくんは胸を張っていいました。

"でも誰も知らないんだったら、どうやって探せばいいの?"

マロンくんは訪ねました。
するとグランくんはこう応えました。

"そう聞かれると思ったんだ。

実は、この話を聞いたのはかなり前の話で、俺、学校に入る前から、ずっと森の中を歩いて探したりしていたんだよ。
するとある日、偶然この小屋を発見したんだ。"
グランくんは目の前にある小屋を指差しました。

"まだ俺が小さかったからさ、一人じゃ入りにくくて。
けど友達といっても、なかなか信頼できるやついないだろ。
最悪、俺の狙いが外れ、友達に奪われたりしたら、格好悪いし。
そこで、だ。
マロン、君に誘いをかけてみたんだ。"

"ふーん、そうだったんだ。"

マロンくんは特にお宝について、興味がありませんでした。
暇をもてあます代わりに、グランくんのお供をするくらいなら、たやすいことでもありました。

グランくんはウインクをして、

"じゃ、さっそく中にはいってみようぜ。"

そういうと、窓を覗き込み、誰も中にいないことを確認しました。
"マロン、誰もこないか、ちょっとそっちをみてくれないか?"
"わかった。"
マロンくんはグランくんに言われるがままに、先ほどきた道を見張ることにしました。
その間グランくんは、ドアノブに手をかけ、がちゃがちゃとノブを回しています。

"あれ、なかなかあかないな。"

グランくんは、古くさび付いたドアノブを一生懸命回し続けました。何度かまわすうちにだいぶ回りもよくなりました。
マロンくんがぼんやりと見張っている背後から、

"マロン、こっちにこいよ。"

とグランくんの声が聞こえてきました。
振り向くと、グランくんは、ドアを開け中に入ろうとしていたところでした。マロンくんは、もう一度誰もこないことを確認すると、開いたドアの隙間から部屋の中へと滑り込みました。

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