小説:くまの森のひみつ 9

小屋の中見た目以上に荒れていませんでした。

外が薄暗いため、小屋の中はもっと暗く、夜の森の中に近い暗さでした。グランくんもマロンくんも、探検には必需品である、小さなガラス瓶をそれぞれかばんから取り出しました。ガラス瓶に入っているのは、くまの森のちいさな水辺に生えている緑色のコケです。このコケは、不思議なコケで、夜になると光を放ちます。二匹は、そのコケの光を頼りに、小屋の中を歩くことにしました。
光を照らす限り、この小屋は一部屋しかない、小さな家でした。
奥には扉もありません。窓はドアの横に一枚埋め込まれているだけでした。入り口から右手には、小さな調理場、左手には、ベッドとタンスがひとつ。そして二匹が立っているところはどうやら居間のようで、古びた灰色になった泥だらけのカーペットが敷かれています。壁には大きな本棚があり、古びた本が本棚に隙間なくありました。

二匹は部屋を見回しました。

"そんなに大きくはないみたいだね。"

マロンくんはほっとして、言いました。

"そうだな。そのほうが俺たちにも好都合ってやつだし。探索が楽になるよ。"

グランくんは天井や床の壁を光ゴケを照らしながら、言いました。

"よし、マロン。さっそく調べてみようぜ。"

"何を探せばいいのかな?"

"とりあえず、ヒントとなるのは、地図か、それらしきもの。あとは、この家の住人がもしかしたら発掘者かもしれないから、そうだとすれば、そのときの発掘記録とか。そういうのがあれば、どんどん教えてくれ。"

"わかった。じゃ、僕は本棚を見てみるね。"

マロンくんは、大きな本棚の前に立ち、近くにあった、三脚のいすを持ち出し、いすの上にのり、上の本から探していくことにしました。タイトルをみていくと、どれも難しい言葉でかかれています。
手当たり次第に分厚い本を一冊とりだしました。
ページを開いてみると、かび臭い、つんとしたにおいがページをめくるごとに鼻につきます。
書かれている字体は、マロンくんんが学校で習っているものとは少し違っていました。少し風変わりなものです。けれど読めないわけではありませんでした。
少し読み進めていくうちに、だんだんと難しい言葉が入り混じり、なんのことが書いてあるのかよくわからなくなっていました。

多分この本は探しているものとは違う。

なんとなくマロンくんは思いました。
本を閉じると、本棚にもどしました。

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