汝、星を盗むことなかれ(第三回)作・風間銀灰

「いったい何の話だ?まあ落ち着け」
私はとりあえず、学長に椅子と番茶とポテトチップスをすすめた。いきなり説明もなく結論を言うのが、この男の昔からの悪いクセだ。
「実は」彼は、口いっぱいにポテチを頬張りながら話し始めた。
「大講堂の、例のクリスマスツリーの話なんだが」
例のクリスマスツリーとは、留学生として我が校に通っている、小国だがやたらに金持ちな、某国の閣僚の息子が寄付したものだった。とにかく電飾が激しく、やたらに派手なのだが、そのうえ金もやたらにかかっていた。何せ、てっぺんに飾ってある星が、純金なのである。
「それで?」私は尋ねた。「ツリーの星が、盗まれたとでも言うんじゃあるまいな」
すると、学長は、口をぽかんと開けて呟いた。
「そうなんだ、何故わかった?」

~続く~

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