汝、星を盗むなかれ(第二回)作・風間銀灰

入ってきたのは、いつものパターンである学生たちより、ある意味もっと質の悪い相手だった。学長が入ってきたのである。
何故学長がわざわざ?と思われる読者もいるかもしれないが、彼は私の学生時代からの友人で(よく一緒に授業をさぼってはパチンコに行ったものだ)、どういう手を使ったのか、理事長の娘と結婚して、学長におさまったというちゃっかりした男だ。
その彼が、暗い顔をして入ってきたので、「飲みにいこ~」なんて話でない見当はついた。さては、舅である理事長に、「英文科のアイツは使えんから、クビにしてこい」とでも言われたのだろうか、と、私まで暗い顔になっていると、彼が突然口を開いた。
「おまえ、この頃、いくつか事件を解決したそうだな」
それを聞いて私は困惑した。解決したというより、巻き込まれてしまったというのが正しい。
「頼む、この事件も解決してくれっ」
~続く~

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