七不思議を消去せよ(第一回)今回の原案・kazura、作・風間銀灰

やわらかな日差しが窓辺に漂っていた。高く澄んだ青空には、赤トンボが飛んでいる。とても気持ちのよい日だ。…授業さえなければ。
授業を嫌がるのは、なにも学生ばかりの特権ではない。教える側にとっても苦痛な時もあるのだ。つまり、私は教える側、この大学の助教授で、毎回授業で失笑されているのだ。
ご存知でない方のために説明しておくと、私は英米文学を(一応)専門にしている名ばかりの助教授である。「クラシックミステリ史」なる授業をシャレで開講してしまってから、失笑を買うばかりか、事件に巻き込まれてしまうことさえある不幸な中年男だ。
そこへ、どたどたと重そうな足音が近付いてきた。
「セーンセっ、いらっしゃいますか」
声の主は鳴戸。厄介事を持ち込む学生の一人である。
~続く~

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