田植えのときにひとが死ぬ(第四回)

「なるほど、それなら一人分の足跡しかない説明がつくっ。さすが大海原っ」
鳴戸に褒められ、大いにテレる大海原に、田沢の容赦ないダメ出しが飛んだ。
「わざわざ田んぼに埋めるなんて、手間じゃなくて?山にでも捨てた方がよっぽど合理的ですことよ」
大海原が反論するかと思っていたら、「~ことよ」という語尾が気に入ったらしくでれでれしていた。情けない。
「じゃ、こんなのはどうスか?田植え前の田んぼのつるん加減に、一人の子供がどーしても入ってみたくなった。が、真ん中辺りで足が抜けなくなり、そのまま沈んでいき、その供養のためこの田は使われなくなった!」
「この足跡、どう見ても大人のものよ。」
「うーん、じゃあ大人が…」
そこへ、やはりミステリ史を受講している国文科の楠が通りかかった。
「みなさんおそろいで何してるんですかあ?」
~続く~

この記事へのコメント