田植えのときに人が死ぬ(第三回)

「なんだと?」私は面食らった。これのどこが事件だというのだ。
「ほら、この足跡よーく見てくださいよ。」
鳴戸のずんぐりした指が写真を指さした。
「足跡、何故残ってるんスか?刈り入れ時のなら田の土はもう堅くなってるはずだし、田植え前のだとしたら水が入って、足跡はなくなるはずですよ。」
「それでですね」大海原が引き継いだ。「何故足跡が残ったのか、その原因を推理してみようってコトになったんです。先生もぜひご一緒に」
そんなヒマない、と言いたいところだったが、生憎ヒマだった。くだらないことだが、確かに気にはなる。何故こうもはっきりと残ったのだろう。
「もしかして、弥生時代の殺人事件かも…」大海原が呟いた。「田植え前に誰かを埋めて、その後この田の使用を禁じた。こんなところでどうですかね?」
~続く~

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