田植えのときに人が死ぬ(第二回)

三人は、必死の祈りも虚しく、当然のように私のテーブルに落ち着いた。
「先生、『隅の老人』気取りですか?ここはABCショップじゃなくってよ。」
田沢は、なかなか可愛い顔をしているのにいつも言葉にトゲがあり、かつやや古風な喋り方をする。いわゆるアキバ系の鳴戸と大海原につきまとわれるのはこのせいかもしれない。
「なんだ君たちは。哀れな師が心の平安を取り戻す時間もくれないのか。」牛乳とチーズケーキを選んだのが偶然だっただけに、他のメニューにしなかったのが悔やまれる。
「違うんスよ、センセ」
鳴戸が、カバンから新聞を出して、広げた。
「これ、この記事見てください。」
見ると、弥生時代初期の水田が発見されたという記事で、田の中の足跡の写真も載っていた。
「これが何か?」
すると鳴戸はにやりと笑い、「これ…事件のニオイがしません?」
~続く~

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